アダン
海辺のパイナップル
海辺でよく見かける植物でパイナップルの様な実を付けます。葉にはトゲがあり痛いので注意が必要です。アダン(タコノ木)は潮に強く沖縄では防風林として盛んに活用されています。
アダンの実
オレンジ色に熟れてくると甘い香りが漂い、一見すると美味しそうに見えるアダンの実ですが、残念ながら食用にはなりません。落ちている実を観察すると繊維の塊でタワシの代わりに使えそうな程です。石垣島では儀式でアダンの若い青い実を食べる風習があるそうですが、生で食べると酵素の働きで喉がかゆくなるそうなので無闇に食べないようにしてください。また、熟れた実を泡盛に漬け込むと美味しいアダン酒になるとの話も聞いたことがありますが、実際に漬け込んでいる人の話を聞きません。
人間は食べませんが陸上で生活している甲殻類にはごちそうでオカヤドカリ、オカガニ、ヤシガニなどが好んで食べるそうです。ホテルなどにも植えられていたりするアダンですが、実が落ちているのを発見したら、夜覗きに行くと沢山のオカヤドカリに会えるかもしれません。
生活にも活用されていたアダン
アダンは葉の繊維も丈夫で昔は色々と活用されていたそうで、カゴやザルなどの他にパナマ帽の様なアダン帽も作られ交易の商品とされていたそうです。今でも僅かですが民芸品としてアダン製品は販売されています。また、アダン帽も販売されていますが細かく編み込むため手間がかかり、現在では生産数も少なく非常に高額な帽子となっています。
アダンの花
花は黄色がかったミルク色、サイズは大きく長さは30㎝ぐらいありそうです。甘い様で沢山の蟻が集まっています。