磯遊びの勧め
海を知る/潮の満ち引きを理解する
潮の満ち引きは1日にそれぞれ2回
海の水位は1日に満潮2回と干潮2回に向かい常に変化しています。この変化は主に月の引力ですが、その他に地球の自転による遠心力があります。月に引っ張られ海は満ち潮となります。その裏側も地球の遠心力で満ち潮になるので、1日に2回の満ち潮が生まれます。引き潮は満潮と満潮の間に発生しています。
月は24時間50分で地球を1周しているので、干潮と満潮は6時間12.5分おきで交互となり、干潮と満潮時間は約50分毎日ずれていきます。実際の干満の潮の時間が計算と違い異なるのは、実際には水にも抵抗があり、地形や海流、陸地で水の移動が困難である場合などの様々な要因で、必ずしも同じ変化にはならず地域差などが発生するそうです
大潮
小潮
潮の種類
潮には、小潮、若潮、長塩、中潮、大潮の種類があり、最も大きな潮位変化がある大潮は満月か新月で、月と太陽の力が合わさり大きな変化を生み出しています。太陽の力は月の凡そ半分だそうです。
各潮の特徴
潮のサイクル:中潮→大潮→中潮→小潮→長潮→若潮→中潮→大潮
大 潮 : 潮の干満の水位差が大きい
中 潮 : 大潮と小潮の間で干満の差が小さめ
小 潮 : 干満の水位差が小さい
長 潮 : 干満の差が小さく変化もゆるやか
若 潮 : 潮の干満差が大きくなりはじめる潮で中潮→大潮
季節による潮の変化
冬と夏では同じ大潮でも潮が引くのは反対になり、冬は夜、夏は昼間に最も水位が低くなります。11月から徐々に冬の海になり12月中旬から1月中旬までは真冬の海、1月中旬を過ぎすと徐々に日中潮が引く日が増えてきます。これは地球が楕円軌道と地軸の傾きがあるから季節で変化が起こるとの事です。
※因みに気温とは連動せず、1月末から2月上旬が沖縄では最も寒い時期に当たります。
気圧も潮位変化の原因
1hPaで1cm
1気圧は1013.25hPa(101325Pa)で低気圧と高気圧と呼ばれる定義は周囲の気圧との関係で低気圧か高気圧と呼ばれる状況となります。なので1013hPaより高い気圧でも低気圧で雨の時はありますし、1000hPaでも高気圧で晴れの時もあります。
一方水位は1hPaの変化で約1㎝水面が上下します。1日に10hPa程度、気圧が変わるときがありますが、海の場合は波があるので10cm上下しても大した影響はないと考える方が多いと思いますが、そんな時に実際に磯を歩いてみると危険を感じるほどではありませんが、体感としては普段と大きく異なります。南国の沖縄では急激な気圧変化もありますので、気圧の影響で水位が変わることも覚えておいてください。
台風の時の高潮は、満潮と気圧低下、風で発生した大波の影響が重なって発生します。
遊ぶには干潮と満潮どっちが良い?
磯で遊ぶといっても様々な遊び方、ポイント毎に地形や潮の流れ、生息している生き物たち、サンゴの有無など違いがあり、一概にどちらがお勧めとは言えません。何れも自然の中では危険は伴いますので注意すべき点をご紹介します。
引き潮、水位が少ない時
沖縄の場合、サンゴが沢山あるような場所では、水位が低すぎるとサンゴを壊したり、足を怪我する、オニヒトデやガンガゼを誤って踏んでしまうなどの危険が考えられます。遊泳する場合はある程度の水位があった方が安全ですが、干潮に向かう引き潮の時はサンゴの切れ目から外海に向かう流れ(カレント)が発生する危険もあります。
満ち潮、水位が高い時
水位が高すぎると、波が環礁を超えて内海に入り陸地の形状により川の様な流れが発生することもあります。また満ち潮に向かい水位が増えていくと、いつの間にか水位が高くなり帰れなくなる場合も考えられます。問題なく立てた場所でも、何時の間にか足が付かない深さになることもあります。
皆様の安全のために
磯遊びは海水浴場とは異なり、安全の担保となるクラゲネットなどの設備もライフガードも居ません。常に自然の中にあって、遊ぶ場所として整備されているわけではないという理解と、安全優先で行動する意識を持つことが必要です。磯遊びの際には十分潮の流れと水位には注意して遊んでください。知らない場所、慣れていない場所では、自身の力量を過信せず注意深く行動することを心がけてください。